THE FINAL【オープン部門】ジャッジ総評
白坂 拡
ファッションショーディレクター
優勝された「N’ism」、2位の「Tisser」はレベルが一つ上の戦いを見た気がします。
あのスタイルの中で演出を捻り出した「N’ism」は素晴らしいパフォーマンスでした!
「VIOLET」は本当楽しかった。東京でライブするなら観に行きたい。
そう思えるパフォーマンスでした。
「EMOTIONAL ROBOTS」、「N9SD CREW」は、テーマや演出を含めた掴みはバッチリですが、インパクトが強いので後半どうしても見慣れてきてしまいます。
言ってしまえば出落ち感があるので、後半もう一声演出を入れるだけでも終わった後の印象は全然変わると思います。
4位以下のチームは順位こそついてはいますが、総合ポイントを見てもらうと、1ポイント前後です。
ということは、審査員8人で割ると1人0.1〜0.2ポイントくらいだと思います。
本当僅かな差です。
何かが違ったら表彰台に立っていたかもしれないので、その何かを考えて下さい。
勝ったチームよりも負けたチームの方が獲れる物は多いと思っていて、来年進化した形を見られることを期待しています。
最後に総評コメントでもお話しましたが、ダンススキルも演出もCHIMERA A-SIDEDANCEでは重要です。
上位チームに、演出に特化したチームが入ってきたことを個人的にとても嬉しく思います。
“アイデアはスキルを超える”チームの出現を楽しみにしています。
昨年に引き続き2022年も審査させて頂きまして有難う御座いました。
宇治川 まさなり
演出家
さすが、全国予選を勝ち抜いて来たチームはどこも素晴らしいパフォーマンスでした。
その中でも振付師・音楽・テーマなどの構成と、表現者たちのカタルシス・流れが集約される瞬間が強いチームを、やはり個人的には評価を高くしました。
日本の楽曲を使って、テーマ性を強く押し出して来たチームの説得力も感じることができました。
予選よりはるかにESSを感じさせてくれたチームが多かったことは、予選を勝ち抜いたチームの表情の幅広さも体験できました。
とにかく、見応えのある感動の瞬間をありがとうございました!
上島 雪夫
ステージディレクター
例えば日本語歌詞を使ったりして、又は使わなくても、何かしら漠然と持っている不安とか、憤りとか、哀しみを表現しているものがありました。
「私はこんなに苦しんでいる。でも頑張っているんだ!」
というようなエモーショナルなものが訴えてくるものです。
それに対して理屈じゃないダンス・カラダ!とかリズム!とかで、純粋に躍動してくるものがありました。どっちもダンスなんでしょう。
でも、今回思ったのは…
エモーショナルな表現のダンスから、言葉や心でもない何か根源的なものが立ち上がってくる瞬間。
またシンプルなダンスなんだけど、なぜかこちらにエモーショナルな何かが湧き上がってくる瞬間。
この“何かしら向こう側にあるもの”に近づいていたチームが印象に残りました。
とても考えさせられて、ダンスの面白さ、深さを感じた1日でした!!
KYOHEI
ミュージックプロデューサー
テーマを軸に表現を深く掘り下げるという、クリエイティブ・エンターテインメントの中で、間違いなくトップクラスの方々の作品を目の当たりにしました。
観客との間にある見えない壁を越えるには圧倒的エネルギーを放ちながら、繊細に引き込んでいく、客観性のセンスも必要だと思いますが、自分たちの個性・旨味を理解しながら、時に壊していく時間もあるはずです。
作品を通して、ダンスは、もちろん、エンターテインメントの表現の奥深さを再確認するとともに、また次回が楽しみになるオープン部門ファイナルにふさわしい時間でした。
ありがとうございました。
SHIGE
ダンサー
幅広い年齢層・キャリアから生まれるエネルギーだったり、アイデア・表現のバラエティー、どのチームにもそれを感じて、とても感動し、興奮させていただきました!!!
ダンサーとしての本質であり浪漫である、誰が何をどう踊るのか!自分が何者なのか!これに尽きる!!
個人的にはそう信じて、追求しています!
それと同レベルで、わかりやすさ、そのこだわりをどう玄人ではない人にも伝えるか!
とても難しい要素ではありますが、そこを網羅しないとこの大会では勝てない、評価し難いんだなと自分としても痛烈に思い知らされる大会でした!
こだわりをどんなフィルターを通して落とし込むか、とても頭をかかえる作業だと思いつつ、そこに頭でっかちになることなく、ナチュラルに本来のスタイルと融合できるチームが評価されたり。
頭をかかえつつ、才能と努力でそれを上回る作品に仕上げるだけの才能と努力が勝ったチームが当然評価される。
これはあくまで作品内にいない個人的な感想です。
今後に活かすもシカトするも皆さん次第!
結果を真摯に受け止め、成長に繋げていただけたらと誠意を込めて伝えさせていただきます。
ありがとうございました!!!
松田 尚子
ダンサー
魂の踊りを見させていただきました。
こんなにも人間力を感じる踊りを見るのもなかなかない。
改めてダンスの威力を感じます。
この大会に合わせてどれだけのエネルギーを費やしてきただろうと思うと感動する。
スキル・振付・テーマの表現、どれをとってもこの決勝に合わせて、丁寧にテーマをとらえ、表現手段をすごい考えている。
それを体現する為の技術もすばらしく、そして相当練習した感も見える圧巻の作品がいくつもありました。
ダンスは、いろいろな要素があり、衣装・表情・アクティングで、メリーゴーランド・宇宙・天使など、具体的な物を表現するやり方から、愛・生きる・ともに・原点など、形のないものを、肉体を通して表現して人の心を震わせる事ができる。
その意味で純粋なダンスの良さを感じたのが「MR」でした。
参加者、振付師の皆様に、”テーマ”があるこのコンテストを通し、改めてダンスの素晴らしさを教えていただきました。
本当にありがとうございました。
ISOPP
ダンサー
流石のオープン部門。
大人の参加者は、人生の喜怒哀楽すべての経験値をステージ上に連れて行ったような作品ばかりでした。
作品テーマをしっかり意識して作り込んだナンバーが多く、使用音源もオリジナル制作した曲を使うなど、細かいところまでが抜け目なく仕上げてきたチームがほとんど。
その中でも技の使い方、目線の誘導の仕方、心と身体表現が伴っている、バランスのとれたチームが強く輝いたと思います。
日々、技術の練習を重ねながら“どういうつもりで踊っているのか”というのが、目に見えないオーラとなってステージにあらわれます。
その域に達しているチームを複数見ることができました。
ステージに立っている3分間に向かって、命を燃やしてチャレンジしてくる精神に胸を打たれます。
魂が具体化して形となって現れる瞬間でした。
素晴らしいステージをありがとうございました。
CHINO
ダンサー
オープン部門は、個々のスキル、感情、表現力も出ていて、ずっと鳥肌でした。
テーマとリンク、そして踊らない美学もオープン部門の特性で、ダンスだけではない表現力も素敵でした!
皆さんのエナジーとパワーで、最高の時間をいただきました!